- コロナ以降、リモートワークが急増し、その結果の一つとしてデジタルノマド・グローバルノマドが増加しています(統計)。
- 筆者も実際に東南アジア(ホーチミン→シンガポール→クアラルンプール→ペナン)で3週間ノマドワークを行いました。
- 昨今では、空港やホテルに加えて、カフェやインキュベーション施設など、あらゆる場所で仕事ができるため、ノマドワークは問題なく行えました。
- それどころか、作業や電話会議の合間に、適切なタイミングで環境を変えたり、人と会ったり(訪問や視察等)することで、集中と発見/発散の両方を同時に達成することさえ可能でした。
- 体調管理だけ気を付ける必要があります(後述)。
1. コロナ以降リモートワークから “グローバルノマド” が急増(統計)
2019年〜2021年、米国ではデジタルノマドが1,550万人に倍増しました。コロナウイルスによって世界中がリモートワークに移行し、その結果、働き方は大きく変わりました。ノマドとは、「時間と場所にとらわれずに働くこと」で、オフィスなどに縛られず、国内または世界中の様々な場所で過ごしながら働くスタイルを言います。2024年現在、ノマドは3,500万人を超えると言われます。
世界的には米国人をはじめ、次いでイギリス人、ロシア人、カナダ人、ドイツ人と、北米とヨーロッパの人々にデジタルノマドが多いです。彼らは物価が安く近代的な都市である東南アジアやラテンアメリカでノマドワークをする傾向があります。コロナ移行、日本人でも国内またはグローバルでノマドスタイルの働き方をする人が増えてきました。このような傾向は、組織がフリーランスなど個人化し、リモートワークが激化する中で、今後も増え続けると予想されます。ある種の “世界の人流が変わる” 動きとも見られます。今回、私も東南アジアでノマドワークを3週間ほどしてきましたので、新たな働き方/生き方としてのグローバルノマドをレポートします。
【ノマド統計】
- 全世界でデジタルノマドは3,500万人を超える
- 米国ではコロナ以降に倍増して1,550万
- 米国に次いで英国人、ロシア人、カナダ人、ドイツ人と、北米とヨーロッパ人のノマドが多い
- 物価が安く近代的な都市である東南アジアやラテンアメリカでノマドワークをする傾向
- デジタルノマドの平均年齢は32歳
- 7日未満の移動(ノマドの22%), 7日から14日の移動(ノマドの27%)と短い滞在が多い
- デジタルノマドの55%が学士号を保有、約33%が修士号を持ち、3%が博士号を持つ
- デジタルノマドの多くが年間収入5万ドル(757万円)〜25万ドル(3,785万円)を稼ぐ
- デジタルノマドの24%がグローバルノマドです(そのうち54%が毎年1~2カ国、29%が3〜5カ国、17%が5カ国以上を訪れます)
- (参考1, 参考2)
※2024年4月13日(土)に、日本デジタルノマド協会の代表(松川さん)とともに、以下のライブ配信を行いますのでご興味の方は見てみてください↓
2. 約3週間のグローバルノマド体験
2024年2月末〜3月中旬に、ノマドワークを実施しました。以下が旅程です。
この期間、仕事をしながら夜にMeetupなど、仕事の合間に環境を変えながら過ごしました。例えば、1日の中で3時間集中して仕事し、オンラインMTGをして、その合間に現地の方々に訪問/MTGしたり、その後また4時間仕事をして、さらに施設の視察等をしたりしていました。作業は朝でも深夜でもできますので、日中帯にMTGや集中力が途切れる頃に(3時間に1回程度)、さまざまな体験や機会を挟みます。そのメリハリの中で、”集中” と “発見/発散” の両方を同時に達成できました。
3. 仕事の合間にMeetupや視察等
ノマドワークをする1ヶ月程度前から、海外コミュニティ等のネットワークにコンタクトし、ミートアップや視察の計画を立てました。特に、”せかいじゅうサロン” というコミュニティではミートアップなどを運営の方々が企画協力いただき、とても良い機会をいただけました。
<仕事の合間にさまざまな企画や機会を構築(例)>
- 仕事が終わって夜にミートアップを開催(シンガポール1回、クアラルンプール2回)
- 現地の起業家やイノベーション拠点マネージャーとMTG(ホーチミン、シンガポール)
- 大学やコンサル会社等現地の方々とのMTGや視察(クアラルンプール、シンガポール、ペナン)
- 現地で開催されるミートアップや企画に参加(シンガポール、ペナン)
また、ノマドコミュニティでの友人づくりや、私が客員をしている大学を通じたイノベーション拠点ネットワークなどを活かして、視察等を行い、国内とは異なる見識やネットワークを広げました。(以下例)
4. ルーティンを脱却した集中と発散
今や、東南アジアをはじめ、世界中の都市が発展してきています。WiFiインフラはオシャレなカフェやコワーキングスペースで十分に機能し、街中が仕事場になります。それぞれの環境でさまざまな発見があり、仕事環境が流動的になるだけで、ルーティンを脱却した発想の転換やアイデアの発散につながりました(なんとなく気持ち/思考が回転し、モチベーションUPになります)。
また、場所を選べば、眺望の良いタワーマンションを仕事場にすることもできます。世界と日本の物価差は縮まりつつありますが(それどころか日本より物価が高い地域も増えていますが)、一昔前のイメージとは異なり、探せば意外なところが十分に発展しており(大都市でかつ)物価差も有効な地域があります。国内にいると気づかない近年の世界の動きにも敏感になりますし、認識のアップデートにもなります。また物理的にも流動的になることで、心もリフレッシュされます。日本国内での固定化された日常だけでは、気づかないうちにルーティン化が進んでいることに体感で気づくことができます。
5. 体調管理だけは気をつけましょう
日本→ホーチミン→シンガポール→クアラルンプール→ペナンと複数都市を移動しながら、なおかつ朝から深夜まで土日を含めて仕事と機会をフル回転させていると、体力の消耗と気候の変化等に対する油断が生じます。私の場合は2週間くらいで体調を崩しました(熱、咳等の風邪を1日)。7年間風邪を引かなかった私でも、油断すると風邪を引いてしまったため、グローバルノマドを行う場合は、スケジュールを詰め込み過ぎず、適度に休みながら行うことをお勧めします。
6. ノマドFutureに関するイベント
なお、冒頭のデジタルノマドに関する統計や、以下のようなライフスタイル・ワークスタイルの変化(ノマドFuture for 2030)に関してのライブ配信を、2024年4月13日(土)21時〜、日本デジタルノマド協会の代表理事松川さんと行います。気になる方はぜひ視聴してみてください(無料)→YouTubeでアーカイブ予定です
<以下をライブ配信(2024年4月13日(土)21時〜)>
■ 時は2024年、今生き方はどう変わってきているのか?
■ 加速する人流 [グローバル × ノマド](統計情報を元に議論)
■ デジタルノマドビザ
■ 大学・オープンイノベーション拠点 × ノマド
■ ノーコード(NoCode)等スキル × ノマド
■ スラッシュワーカー(複業ワーカー)について
■ 未来の人流アーキテクチャについて
■ 観光消費から参加型体験エンゲージメント
■ 半年自国+半年旅するように働く
■ ウェルビーイングとの関係
■ どういう大きな文脈なのか?
■ 未来の生き方は?
7. 2030年以降への示唆
なお、2030年以降に、シンギュラリティやデジタルネイチャーが新たな環境インフラになっていくにつれ、ノマドやスラッシュワーカーが、外部組織から仕事を受託するスタイルから、環境インフラを活用して自活してそれぞれの価値観/世界(≒マルチバース)で生きていく未来もシナリオとしてあり得そうです。
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50〜100年先の未来まで仮説・洞察し、現在にバックキャスト・プロデュースする集団。「未来は “待つ” ものではなく “歩む” ものである」を掲げる。現在異ジャンルのFuturistが75名関与し、都内複数拠点で月1程度で活動。各々がバックキャストするFuturist活動の相互支援やFuturism探求の視察・企画・PoCを実施。コミュニティ内の活動シナジーがきっかけとなって、Web3.0の産学研究PJ「C3F」なども生まれている。
ビジョン:「未来をバックキャストする集団・カルチャーを形成する」
あり方:「未来の常識を、現代でつくる人たち(=Futurist / フューチャリスト)
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[ 活動内容の参考は こちら ]
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