Futurist(フューチャリスト)カルチャーの創出【〜ビジネス “手前” の前衛的な環境創造〜】

Futuristコミュニティ では、「Futurist(フューチャリスト)カルチャー」の創出を行っています。

<Futurist(フューチャリスト)コミュニティの全体像>
それぞれについて、以下で記載していきます。

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なぜFuturistカルチャーを創出するのか?【前提】

Futurist(フューチャリスト)コミュニティでは、未来に対しては「どうなるか?(答えを求める)」ではなく、「どうなりうるか?(可能性の認識)」が正しく、また「どうしうるか?(可能性の創造)」といった関与が可能であるというスタンスを取っています。(「Futures Literacy(フューチャー・リテラシー)の重要性 〜未来創造は「異分野融合」的アプローチ必須〜」を参照)

そのため、ただ単に「答えを求める」のではなく、「可能性を認識したり、創造すること」を重視しています。こうしたカルチャーは、正しいか間違っているか “ではなく” 、「複数の仮説(仮の答え)」を自ら持ち、それらを「試す(試行錯誤する)」ことに目を向けています。不確実なこと(未来)に対して「創造」の意識を持つこと。時代が大きく変化する分岐点である現在、そのようなカルチャーを育てることに意義を感じています。

「失われた30年」を繰り返さないために

日本では、バブル以降(1990年代)から現在まで、「失われた30年」と言われています。

もはや株式市場の価値で比較するのもナンセンスな時代に突入していますが、一側面として市場価値の相対的下落もそれを示しています。(以下図参照)

なぜこのようなことが起こったのか?

「未来の可能性」を認識できず、それらにコミット(先行投資 / 挑戦)することができなかったからです。(=Futuristカルチャーの不在

上記図は、StartupDB記事より
  • 目先の合理性(例えばPL/損益)だけに縛られていると、将来の価値を見誤ります。私たちは、それらを身を持って知ったのではないでしょうか?

短期軸(数年)で見るだけでなく、長期軸(10年〜数百年)で観ることが求められてきています。企業の中期経営計画5年でも、21世紀においては短期軸となります。Futuristは10年以上の時間軸でも物事を意思決定していくことが重要になります。(なぜなら、直近の利益のための行動が、長期的な観点で見た時に最善とは限らないためです

このようなFuturistスタンスの重要性に共感を持ったメンバーがFuturist(フューチャリスト)コミュニティに集まってきています。

Futurist(フューチャリスト)とは?
Futures Literacy(フューチャーリテラシー)についての記事

Futurist手法の定義化・体系化【概念創造】

さて、それでは、どのようにFuturist的なアプローチをすれば良いのでしょうか?

Futurist(フューチャリスト)手法の前提

Futurist手法には大きく分けて、未来の「①可能性の認識」と「②可能性の創造」 の2段階があります。一般的な未来洞察は「①可能性の認識(Futures Thinking)」を指すことが多いですが、より実際的には、①には②が伴います。「②可能性の創造(Futures Creation)」は、①に対する仮説検証にもなります。①と②を繰り返す中で、徐々に未来に対する解像度が上がっていき、戦略性も上がってきます。また、然るべきタイミングで「ピボット(方向転換/修正)」も可能になるでしょう。問題なのは「単なる博打」にならないようにすることです。(”未来はわからないもの” と、投げやり/シミュレーション不足となったら、前提の段階から失敗しているようなものです)

段階的に整理していきます

Futuristコミュニティでは、①と②を段階的に整理していきます。まずは①から整理しています。なお、①にもレベルを定義しており、まずはレベル2(個人としてFutures Thinkingが可能となる)について整理をしています。

「Futures Thinking説得力のレベル感」 from Futuristコミュニティ

まずは「レベル2」から体系立てています。

異分野越境を含む実験環境の創出【概念検証(実験)】

Futurist(フューチャリスト)コミュニティでは、未来に対する洞察やイベントだけでなく、実験的な環境の創出などを常に検討しています。

イノベーションの初期フェーズ(ビジネス手前)

様々な異分野越境プレイヤーと共に、イノベーションを創出できる環境を創出する考えです。未来に対しての実験環境は、必ずしもビジネスに直結するわけではありません。そのため、初期のフェーズでは「コミュニティ/越境」のレイヤーから、非論理・非線形に文化形成を始めます

Futurist(フューチャリスト)は、ビジネス手前から環境構築を始める

本来であれば、Futurist(フューチャリスト)レイヤーは投資領域です。そのため、会社組織や事業の観点から参入するのが難しい場合があります。そこで、前衛的/先鋭的なフェーズ(Futuristフェーズ)では、「ストーリー/付加価値/共有できるフィクション」などで、様々な前衛的な人々を、越境的に化学反応を起こしていきます。(会社組織や事業を超えた環境・状況を創り出していくのもFuturist(フューチャリスト)の重要な役割

会社組織や事業の枠を超えた環境・状況の創出(異色の前衛たちの化学反応)

初期では、前衛的な人たちの化学反応を起こしていく

例えば、「Robloxで世界を創ろう!コミュニティ」や「バーチャル街づくり連合」は、会社組織や事業を超えた環境・状況として、前衛的な人々を中心にストーリーが駆動しています。メタバースやWeb3.0など、まだ芽生えたばかりで未熟なフェーズのテクノロジーなどを、現在のビジネスベースに無理矢理繋げようとすると(直近でリターンを得ようとすると)、それらが本来持っている本質を見失う場合があります。そのようなケースで、こういった既存ロジックに縛られない状況を創り出していくことは、後々に重要になっていきます

Futuristのカルチャーづくり/イベント等【カルチャー・コミュニティ】

Futurist(フューチャリスト)コミュニティでは、カルチャーづくりとして、リアルの拠点やバーチャルの拠点などを組み合わせながら、日頃の交流を図っています。

自主的、自律的に企画が行われています

過去の企画などは、「こちらのページ」などにも掲載しています。

リアルには、「東日本橋」や「押上(予定)」に、連携拠点があります。また、バーチャルには、メタバースプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」を活用したメタバース拠点があります。

Futuristフェーズから事業化フェーズへの移行

Futuristコミュニティメンバーである Sho T においては、Futuristフェーズから事業化フェーズへの移行についても、株式会社等にて、CINO(Chief Innovation Officer)として実行していますが、汎用的な体系化を並行して行っています。

Futurist(フューチャリスト)とBizDevの連動

例えばノーコードは2019年からFuturist手法を適用しています

(例)Futurist(フューチャリスト)は、ビジネス手前のフェーズから環境構築(コミュニティ等)を開始し、徐々にBizDev(事業化)へのフェーズ移行を開始。マルチステークホルダー化した方が良いものは協会化など。

(例)元々ノーコードは「非技術者を含むIT創造のインタフェース」として着目しており、未来を見据えて参入(Futurist的バックキャスト)

このように、Futurist(フューチャリスト)として「何年も前のSeeds(シーズ)段階」から環境を形成し始め、マーケティングフェーズに入ったらBizDevに接続していくといった連携を行なっていきます。

今後、あらゆる「Futuristフェーズにあるもの(Seeds段階)」と、「事業化フェーズ(BizDev段階)」を、統合的に連動させていく機会創出を行なっていきたいと思っています。その際、一つの分野や界隈に縛られていると、長期的なストーリーが描けませんので、異分野越境的アプローチが必須となると考えて準備しています。

今後に向けて

時代的に、一部の先端的な人々の間では、Futurist(フューチャリスト)の重要性が認識され始めてきました。その課題認識に対し、実際に一手一手を打てるよう、体系化と環境創造を進めていきたいと考えています。特に以下のような環境では、Futurist(フューチャリスト)カルチャーが求められていると思いますので、それらに向けて、共創的に模索できたらと考えています。失われた30年を繰り返さないように。

課題認識から実験共創へ

  • Futurist(フューチャリスト)× スタートアップ
  • Futurist(フューチャリスト)× インタープレナー
  • Futurist(フューチャリスト)× 経営者
  • Futurist(フューチャリスト)× 新規事業
  • Futurist(フューチャリスト)× 異分野越境
  • Futurist(フューチャリスト)× 国家戦略
  • Futurist(フューチャリスト)× 自治コミュニティ
  • etc

Futurist(フューチャリスト)コミュニティについて

Futurist(フューチャリスト)が集まるコミュニティ。「未来は “待つ” ものではなく “歩む” ものである」を掲げる。都内複数拠点で月1程度で活動。slackやZoomでは日常的に交流。各々がバックキャストするFuturist活動の相互支援やFuturism探求の視察・企画・共有会なども実施。 [ 活動内容の参考は こちら ]

Futurist(フューチャリスト)コミュニティに参加するには?