はじめに
Futurist(フューチャリスト)コミュニティでは、未来を洞察・認識・創造していく上で、Futures Literacy(フューチャー・リテラシー) や Futures Thinking(未来思考)を整理しています。
今回は、「未来への流れを比率で表現する」についてです。
2つの流れを想定する
起こりうる未来を推定する際に、100年程度の時間軸で2つ(以上の)大きな流れを想定してみます。
➡サンプルとして「これからのワーキングスタイルがどうなるのか?」という問いについて示します。(今回は、流れを考えるという部分に着目して、「なぜ?」という理由は省略します。)
flow1)今、常識となっているものが少しづつ崩れていくながれ
ex.➡ 終身雇用が減少し、企業という雇用組織が減少していく
flow2)遠い未来において現在の常識を破壊する流れ
1)で提示した「今の常識」にかわるもの
ex. ➡遊びとしての仕事(Work as Play)
生活維持のための労働がなくなり、自己実現・承認または娯楽のための仕事に従事する。
※より複数に分岐する場合もあれば、各フロー内での複数の流れを描く場合もあります。
時間軸における流れをつくる
次に時間軸において、「2つの流れ」がどのように変化していくのかについて考えます。
Futures Thinking(未来思考)では、おおまかな時間軸の分類を、次のように定義しています。
一 直近未来: ~2030年 (5~10年後まで)
一 近未来: 2030年~2070年 (10~50年後まで)
一 中未来: 2070年~2120年 (50年~100年後まで)
一 遠未来: 2120年~10000年 (~10000年後まで)
そして、各時間軸における流れの傾向は、概ね次のようであるととらえてみます。
①「直近未来(5〜10年後)」については、現在からのやや上昇(下降)する流れを表現します。
②次に、当面のゴールとなる「中未来(50〜100年後)」にflow1とflow2の主従が完全に逆転する時期を設定し、
③最後に「近未来(10〜50年後)」においてflow1とflow2の流れの交差する流れを表現します。
交差点においてflow1とflow2の逆転が起こるということであり、後にその理由について言語化(シナリオ化)する際の目安とします。
※④は今回は省略します
割合を想定する
次に、ざっくりと具体的な数値(割合)を設定していきます。あくまでも参考値であり、言葉だけよりもイメージとしてとらえられるという利点があります。
数値の指標としてイノベーター理論の値を参考にするのもいいでしょう。
例えば、次のような目安で値を設定してみましょう。
1)新しい傾向の立ち上がり
・革新期:2.5%
・初期採用期:16%
・普及初期:50%
・普及期:84%
2)常識の崩壊、既存価値の減衰
・微減衰期:97.5%
・減衰初期:84%
・半減期:50%
・崩壊期:16%
これをイメージグラフで表現してみると次のようになります。
例:ワークスタールの変化の流れ(イメージグラフ)
言語化したものをイメージとしてとらえることが目的であるため、数字の根拠にこだわる必要はありません。
※もちろん値の根拠となるペーパー、例えば「国勢調査」や論文などで公開されているものから設定できればベストですし、類似の傾向が想定されるものからの類推でとらえられればよりよいでしょう。
今回は以上です。
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