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はじめに:仮想世界の歴史に名を残す
先日、「21世紀から始まる『マルチバース・ライフスタイル』 〜現実と相互作用するフィクション〜」と題する投稿をしました。
そこで、以下のようなことを記載しました。
- バーチャル自治体「令和市」は100名程度で、独自の世界線の歴史を紡いでいる
- 今後はメタバースやWeb3.0などを踏まえて、「ワールドメイキング(世界創造DIY)」が当たり前に起こっていく
- 人々は「サービス」ではなく「世界観」を創るようになる。それは仮想だけではなく、現実にも作用してくる。
実際に、「バーチャル街づくり連合」という、複数コミュニティでリアルだけでなくバーチャルも含めた『世界創造DIY』を行う実験も始めています。
コミュニティドリブンで多様な世界が「DIY構築」され、それぞれに独自の物語(フィクション)が生まれる兆しがあります。そしてそれらが、互いに相互作用していく流れがすでに始まっています。
(参考:複数のコミュニティがバーチャルで “お隣さん” となり、季節ごとにメタバースで交流する → そこから様々な物語が仮想で交錯し、フィクションが現実にも影響)
仮想世界で、複数のコミュニティが「お隣さん」を形成していき、季節ごとに交流の輪が増えていき、「世界」が構築されていく【バーチャル街づくり連合】
これまでに、以下のようなことをよく聞くことがありました。(皆さんも、聞いたことや言ったことがあるのではないでしょうか?)
「歴史に名を残したい」
by Everyone
今後は、「仮想世界を立ち上げ(ワールドメイキング)、その独自の世界の歴史に名を刻めば良い」となっていくかもしれません。果たしてそのようなことは可能なのでしょうか?
創造の民主化の流れ
現在、テクノロジーの発展のおかげで、一昔前なら何百人も必要だったことが、たった一人で瞬時にできるようになってきました。
いわゆる、「創造の民主化」の流れです。
例えば、昨今は「ノーコード・ローコード」などによって、プログラミングをしなくても、様々なIT創造が可能になってきました。(参考 from 一般社団法人NoCoders Japan協会)
現在は、ECやアプリ(などDX)がノーコードで構築できる、と盛り上がり始めています。さらに今後は、ノーコードでAIやメタバースの構築など、様々なことが可能になっていくでしょう。
つまり、「創造の民主化」が進むにつれて、創造の単位が「世界」そのものへと変わっていく流れがあります。少しオーバーに聞こえるかもしれませんが、Futuristコミュニティでは、「ワールドメイキング」を次の時代のテーマとして認識・提唱しています。
未来のデジタルファシリテーションについて
最近、Futurist界隈の周辺で、「未来のファシリテーション研究会(21世紀型コミュニティ研究)」が立ち上がりました。そこでは、完全にトップダウン型で因果的(絶対的)な社会構造から、それに加えて、ボトムアップ型で縁起的(確率的)な社会構造についても仮説しています。昨今の「マネジメントからファシリテーションへ」の文脈を、さらに広く社会構造に対しても考えています。
そこで、Futuristとしては、以下の2つを提起しました。
- 創造の民主化ツールの活用(提起①)
- フィクションの活用(提起②)
※提起①によって、非技術者を含む創造力のDIYを高めることで、よりボトムアップで縁起的な社会構造の可能性も推進することができる可能性がある
※提起②によって、現実では縛りのあることでも、仮想のフィクションをうまく活用して現実とインタラクションさせることで、物語を柔軟にさせ、多くの主観を引き出しやすくすることが可能となる可能性がある
上記2つによって、以下のようなことが起こしやすくなると考えています。
「痕跡」を残しやすくすることの重要性。最初に答えやフレームがあり、その中にコンテンツが収まっていくというトップダウンアプローチというよりは、まず各々が痕跡を残し、そこから答えやフレームを随時に解釈する、というのが実際。因果論的というよりは縁起的。これは投資チャートなどでもメタファー的に理解できる。つまり、全ての説明は後付けであり、数学的規則性などで確率は一定存在したとしても、そうなるかどうかは正確には誰もわからない。ゆえに、社会のあり方としても、まずフレームがあり、そこに当て込まれていくというよりは、痕跡から多層的に相互作用が起こり、そこから描かれていく流れである。この痕跡を残しやすくするのがファシリテートかもしれない。
さらにその先は?『1人1国時代へ(仮説)』
さらにその先はどうなるのか?その問いに対しては、以下のような仮説を持っています。
- 2020年代から、IoTやAIがさらに発展し、空間のインターネット(Spatial Web)が進みます。その流れとメタバース(仮想世界)が相まって、デジタルツインやミラーワールドが現実味を帯び始めます
- 知能が小型化し、空間(宇宙や仮想を含む)に満ちていく。その結果、経済を「人口規模」で捉えるのではなく、「デバイスや仮想生命(人工生命等)の数を含める」ようになる(これは人口80億という規模感ではなくなります。全体でX兆とかそれ以上になっていきます)
- 結果、社会というものが「人間と人間」によって構成されると言うよりは、「人間と人間とそれ以外」と言う、人間以外の相互作用を考慮する流れになります
- ここからは確率論ですが、1人の人間に対し、複数のAIや人工生命などがペア(系)となる可能性があると考えています。例えば、1人の人間が1つのバース(世界)を持ち、その世界の住民として複数のAIや人工生命が存在するといったこともあり得ます。これが「1人1国時代」という場合の可能性です。これはスペキュラティブの範囲(あり得るかもしれないの範囲)です。そうなるというよりは、そうなる可能性があるということです
面白い流れだなと思っています。
未来というのは「可能性」です。分岐しています。絶対はありません。
ゆえに仮説(仮の答え)を持ち得ます。
Futuristコミュニティでは、Futures Literacy(フューチャー・リテラシー)を定義しています。それは、未来に対する「仮説」を立てて、「創造」をしていくというアプローチです。誰かから答えを得ることとは考えていません。共にクリエーションしていきましょう。
なぜなら、今後「誰もが主人公になりうる」という可能性 “も” ありますから。
Futurist(フューチャリスト)コミュニティについて
Futurist(フューチャリスト)が集まるコミュニティ。「未来は “待つ” ものではなく “歩む” ものである」を掲げる。都内複数拠点で月1程度で活動。slackやZoomでは日常的に交流。各々がバックキャストするFuturist活動の相互支援やFuturism探求の視察・企画・共有会なども実施。 [ 活動内容の参考は こちら ]
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